第3回新人発掘プロジェクトWEB展

開催にあたって

この度緊急事態宣言の発動に伴い美術館での開催が中止となりました事は大変残念でした。全関西行動展を2年連続でなくなります事は、ご出品頂いた皆様の志気を下げてしまいかねません。万が一に美術館での開催が不可能になった場合に備え準備を重ねて参りました。初の試みとなりますがWEBによる全関西行動展展及び新人発掘プロジェクトを開催致します。

 

今回は一般出品者53名新人発掘プロジェクト42名と前年度よりかなり減少致しましたがコロナ渦中、志気溢れる作品が集いました。またこれから新たな息吹を感じる作品もあり充実した内容となりました。今回のWEB展には残念ながら委員の作品はございませんが、各委員から出品された皆様に作品の講評をお願い致しました。今後の作品制作のご参考になればと思います。

文末になりましたが、この度の開催にあたって、禍中にも関わらず、ご支援頂いたスポンサー及び関係者の皆様に心より御礼申し上げます。


  • 作品の全てが20号(F・P・M・S)サイズになります。
  • 講評につきましては1作品につき1名の委員からの個人的な意見・感想となっております。 関西行動美術で総括した講評では無い事をご理解の上、出品者の皆様には一意見として今後のご制作のご参考にしてください。

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新人大賞

     赤塚  亮          降りる男      

『一委員の一意見です。』単純明快でありながら、人の意表を突く構図で大変面白いと思います。青のGradationで作った背景(空)と茶でまとめた人物、柱の色合いも素晴らしく、新人発掘プロジェクトの作品の中では細部まで直ぐに思い浮かべられる印象的な作品です。

 

 

特別優秀賞

           中村 寛     錆びる

『一委員の一意見です。』錆びた鎖が大変リアルに描かれ背景も同系色でまとめられその場の空気感がよく表現されています。

 

 

新人発掘賞

神田 恵子   avenir 希望

『一委員の一意見です。』完成度の高い作品だと思います。より一層、レベルアップするには、何を主張しているのか?主張をしたいところが多すぎますね。もう少し引き算が必要ですしね。今後がとても、楽しみです。

入選作品

新木都志子  祈りの旗

その1『一委員の一意見です。』今世界に不安が広がっています。「祈りの旗」は色彩豊かに収束を願い心を込めて隅々まで丁寧に描かれています。気になったところは、視線が2つの顔に行ってしまい画面に柔軟性がなくなっていないでしょうか。もう一点、コラージュを取り入れたのは良いのですが中途半端に終わってます。コラージュの部分をもう少し増やし横の動きを取り入れる事も考えてみてはいかがでしょうか。参考になれば幸いです。

その2『一委員の一意見です。』インドの王様とお妃の人形を使って、楽しい自分の世界を創りだしているのが良いと思います。少しバックがうるさいかな?

石川 斉          連想

『一委員の一意見です。』物語の一場面でしょうか?描写力はあるが訴えたいことが伝わるように構成や色をもう少し深く検討してほしいですね。


石川 美子           秋 の 風

『一委員の一意見です。』凛として清潔感漂う白い猫! つい手をさし延べたい気持ちにさせられます。チョッと気になるのは、左側の黒っぽい猫の中央に、上下に画かれた鎖のようなもの。これ要るのかな〜。

 

石原 敏弘       スワン

『一委員の一意見です。』抽象化した生き物が面白いです。全体に同じ青なので、違う種類の青を加えてみても良いかも知れません。写真なのでマチエールがはっきり見えないのが残念です


井関 喜美子 「記憶の街」

 

『一委員の一意見です。』下地のぼやけた空間とその上側のハッキリ描かれている四角形、塗り方の差異による不思議な空間を作り上げています。ただ、もう少しその差異がはっきり見えるように工夫していれば見やすい画面になると思います。

岩﨑 進  卓上の憩

『一委員の一意見です。』奇異のものに題材をとる作品が目立つなか、卓上の器物や果物と人物、そして記憶の中の風景と時計など、日々の生活の断片を組み合わせて画面をつくる姿勢が好ましい。次作は器物や果物などいくらか増やし、「もの」を重ねて構成すると奥行きが増し、ますます魅力的な画面になります。


岡崎 恵美       「希望の朝」

『一委員の一意見です。』山の頂に輝く光、素敵ですね。

バックの空にもう一工夫あれば、山がもっと引き立ちますよ、とても輝かしい作品ですね。

大家 富司枝         Denen

『一委員の一意見です。』面白い動物や花、風景が、丁寧に描かれています、それぞれが面白く、楽しい心の中の田園風景が感じられます。


小田 道子      宵山万華鏡

『一委員の一意見です。』明暗のあるインパクトの強い作品ですね!よく見るとメルヘンの世界。動きが感じられ引き込まれます。次作を楽しみにしています。

川崎  衣子   Where Is Your Heart

『一委員の一意見です。』楽しい会話が聞こえそうな森の表現ですが、もう少し息が抜ける空間が欲しいように思います。来年に期待します。


北川 雅規 闇を突き抜ける 

『一委員の一意見です。』心境の表現は、なかなか難しいですね、もう少し、作者の心の襞の部分も表現出来れば作品に重厚さも、加わりより良い作品になるのでは?更なる期待を楽しみにしています。

 小林 啓子   故郷を思いて

『一委員の一意見です。』作品「故郷を思いて」雪の屋根と黄色の空が美しく、小林さんの故郷の空気が描かれていて、しんしんと伝わって参ります。今後も心のこもった作品を楽しみにしています。


 小宮 容一  FamilyTorip/此処は何処

『一委員の一意見です。』面白い発想で色もきれいです。デザイン的な発想をより魅力的にするための工夫をなされてはいかがでしょうか。

白川 トシ子  郷

『一委員の一意見です。』どこかに積まれた・・・もしくは固められた伐採木。季節は秋か冬でしょうか?。風に晒されてどれ位の年月が過ぎたものであるのかそれとも置き去りにされたものなのか・郷という題に色々なイメージが沸き起こります。伝えたい思いをより伝えるために主なる部分の主張を(木の質感、断面の様子に)入れ込んで とことん描写するなどもっともっと見せ場を作るとよ良いですね。構図は伝わりやすく良いと思います。


瀧谷 祥子        思案

『一委員の一意見です。』独特の雰囲気を持つ人のような気がしますが、自然に生まれる感覚を大切に持っていかれることを良しとします。

 

谷垣 賢介  朝の湖畔 F20

『一委員の一意見です。』旅の思い出の一画面ですね。表現力は豊かですね。モチーフとしてなにかもう少しアイデアがあればもっと、いい作品になるのではないでしょうか。


中内田 彪 四面楚歌

『一委員の一意見です。』何事にもとらわれず自由で楽しくなる作品。思うようにこの調子で描いていかれるといいと思います。好きな絵です。

 

西 基良   想 S20 

『一委員の一意見です。』とても巧い面白い組み合わせの、モチーフですね。左右の画面の処理が面白くなかなか楽しい表現の仕方ですね。


花森 重行   笑龍

『一委員の一意見です。』古より、幾多の絵師によって描かれてきた「龍」である。その竜に挑戦した作者の意気込みや、実に結構。それにしても「笑龍」とは、可愛いユーモアもある。この線を持ち味に大事にしてほしい。口の”赤”に負けないくらい顔(例えば鼻)、胴の部分がもう少し明瞭であったら、作品がもっと強くなったのではないかと思います。

馬場 俊充    それぞれの道

『一委員の一意見です。』象徴的な構図 故に、表現できる世界の幅が大変狭くなってしまい、難しい作品です。つまり描かれた「女性の顔」が全てで、それ以外のイメージをふくらませてくれにくいのです。女性の美しさがテーマでしょうか?それなら、さらに写実的な表現力を磨く必要がありそうです。あるいはもっと精神的なテーマでしょうか?それなら、心に触れるような質感の描写や情感をいかに表現するか、楽しみながら研究してください。


濱口 京子    ランタン灯る

『一委員の一意見です。』ランタンは夢がありますね。ランタンには広がりがあるものなので、その表現ができるともっと良い作品になるのではないでしょうか。次回はもっと細かい表現も欲しいと思います。次回も楽しみにしています。

 

原戸 純子 『水の影 』

 

『一委員の一意見です。』美しい思い出と寂しさが感じられる絵です。線の太さを意識して使い分けしているので、線に深みがでています。


平山 輝  終わりなき逃亡 

『一委員の一意見です。』人物表現が色々と想像できて面白いし、またよく考えて配置してあり動きがあります。螺旋状に上に向っているので未来があることを予測します。画面の広がりを強く意識されているのを感じます。色の調和も温かみを感じます。

藤野  静子    魅惑

『一委員の一意見です。』モノトーンで大胆に描かれカットされた表情とちりばめられたもチーフの繊細な描き方が画面に変化を与えています。背景の様々な色の重なりに感情や空間、時間の流れ等を感じます。 周囲がほぼ均等に空いておりモチーフの大きさも似ていること、窓枠の白が均一に塗られているように見えることが少し気になります。どこかを崩すことで表現したいテーマが見る人により伝わるようになるかもしれません。


細井 聡子    うさぎ島の黄金の魚 

『一委員の一意見です。』物語をひとつひとつ造りゆく姿勢には好感が持てます。メルヘンの世界ですが、甘くひとりよがりにならずに今後の可能性を感じます。構成等、バランスがこなれておらず、経験の少なさがでていそうですが、生き生きと興味を持って描かれていますので、次の一枚がとても楽しみです。

増村 光子  見たオークランドの街

『一委員の一意見です。』旅の思い出「見たオークランドの街」見たということばに気持ちが出ていました。構成もよく楽しい絵になりました。


松川 和恵      静寂

『一委員の一意見です。』花の表現が巧みですね。リボンは同じ長さではない方がより良く見えるのではないでしょうか。静物が得意のようですね。これからも続けてください。

 

松田 研一       「潮騒」

『一委員の一意見です。』対象、モチーフを描く角度にとても興味を持ちます。大小モチーフの構図、配置と色の統一感があればより一層魅力的になると思います。

 


松谷 桃子   Camellia japonica(つばき)

『一委員の一意見です。』大変美しい作品で良かったと思います。此の作品の中に自由な発想とテクスチャーが入っていればより一層華やかになることでしょう。

宮脇 廣子 IMAGINE(想像する)

『一委員の一意見です。』考える人のような雰囲気があり、色の使い方がとても静かでムードいっぱいですネ。このまま進めていかれると、もっと深い味わいが出ると思います。

 


森 俊人   SCENE21-3

『一委員の一意見です。』色彩感覚がとても新鮮で透明度の高い作品です。自由な発送と現代的な表現で素晴らしいと感じました。

 

 

 

森本 邦子     サブリナ

『一委員の一意見です。』中央のフレームは姿見でしょうか、物憂げに頬杖をつくサブリナが印象的。その視線の先に広がる空間は我々の側にあって、それはおぼろげで危うい世界だろうか。サブリナの髪とリンクする、周囲の植物を想起させる有機的なフォルムが、憂いに満ちた瞳と相まって我々に迫ってくる。しかし人の業が渦巻きながらも、そこには希望の光が差す。複雑な空間構成とせずシンプルだからこそ、力強く未来を見据えていこうという思いも抱かせる作品となった。今後さらに視点の位置や空間構成を試行錯誤していくことで、様々な可能性が見出されることでしょう。


諸岡 八郎     ペルシャの香り

『一委員の一意見です。』ペルシャという異国の香りを感じることができます。静物はがんばって描かれ、ストライプと煙で動きを感じます。ペルシャ独特の模様がどこかにあれば、より異国感を感じることができたと思います。

 

 

 

山木 昭佳       目覚め 

『一委員の一意見です。』目覚める、寸前、一瞬に幻を見たという心象風景を描出している、ユニークな構成の作品です。目覚めの一瞬であるので前面に全ての主題が密に表現されているのは当然と思うが、遠近感が乏しいと思う。彩色に注意して強弱をはっきりすること。「人物」を主として「幻」の部分を従とする。別々の性格を持つよう表現することに留意してください。


やまで ちこ      「路地」

『一委員の一意見です。』歴史のある街の夜明けの表現がなかなかうまいですね。朝陽の当たる前の時空がうまく表現されこなれた作品ですね。次回の作品も期待しています。

 弓場京子   旅愁

『一委員の一意見です。』メルヘンチックで幻想的な作品。とても良かったと思います。今後の作品が楽しみです。

 


吉村ようこ     「私の部屋」

『一委員の一意見です。』自由な発送で構図の配置が素晴らしい。キャンバス面の塗り方が素敵である。この調子で進まれると良いと思います。好きな作品です。

 

渡部 百合子      with…

『一委員の一意見です。』モチーフに魅力を感じて描かれているように思います。構図も工夫されています。作者の思いがもっと画面に出るような色、見せ方の表現があれば何かを感じる作品になると思います。

 

吉本 亜哉子    楽園のハムスター

『一委員の一意見です。』やさしく上品な色彩でトーンがまとまっている点は、良いと思います。構図は中央に焦点がある点で見やすくなっていますが、バランスが集中したため奥行と広がりに難点があります。説明しすぎないように描くようにすることも大切ではないでしょうか。